Me and My Captain

Me and My Captain 1974
[物語、絵:M.B.ゴフスタイン]

私と私の船長さん 2025
[絵:M.B.ゴフスタイン 訳:トンカチ]

船長さんは、王子様だった。

私の運命の人、船長さんは、
会いに来るなり言ったの。
結婚しようよ。
そこからはじまる、
私と、犬と、船長さんの、
夢のようなひととき。

舞台は棚の上、登場人物は全て木の人形。
ゴフスタインが描く、恋と、人生と、幻想の物語。

この本について

『私と私の船長さん』は、伝説的絵本作家、M. B. ゴフスタインが1974年に出版した『Me and My Captain』(原題)の待望の新訳・新装版です。
舞台は窓枠の棚の上、登場人物は全て木の人形という設定で、イマジネーションとユーモアをふんだんに散りばめて、哲学的テーマが、優しく、深く、心に染み込んで来ます。
そしてシンプルを極めたパーフェクトな絵。私たちの本当のしあわせとは何かを問い続けた作者が到達した、究極のラブストーリーです。

よみもの

私と私の船長さんについて

ゴフスタインの『私と私の船長さん』(原題:Me and My Captain)には、大どんでん返しがある(ネタバレ注意!)。

最後の最後に、実にさらっと「彼にはあったことはないけれど」と言われてしまって、船長さんも、結婚生活も、赤ちゃんも、この物語の全てが「私」の空想だったとわかるのだ。

読者は雲の上から突然、外に放り出される。けれどすぐに「私にはあの人が見えるから幸せなのだ」という言葉がパラシュートのようにひらく。空から陸へ、無事に着陸するまでの短い間に、私たちは物語をふたたび体験して、そこに自分を重ね合わせる。この結末によって、読者はこの物語が何だったのかを、考えざるを得なくなるのだ。

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